老化のメカニズムを知らなければならない。

医療を実行しているところは本当にわずか。

コンビニのお弁当は塩分が強めに入っており、そのほうがよく売れ、日持ちがよい。おにぎりも同様です。塩をとりすぎてでも体はあいかわらず陸に上がりたてのころのしくみを残しているので、血圧が上がってしまう。
要は社会や環境の変化のスピードが速すぎて、人間の体のしくみや遺伝子がそれに追いついていないわけです。だから、ふつうの生活をしているつもりなのに病気にかかる。いわゆる、生活習慣病
うことになってきたわけです。そのいわば、代表格が糖尿病ということです。
が蔓延してしまついでに言うと、私たちがいくら頑張っても、に原因がありそうです。
なかなかダイエットできない理由、やせられない理由もこジャングルを想像してみてください。当時は冷蔵庫などありません。
獲物をつかまえたら、お腹いっぱい食べて、三、四日食べなくてもいいぐらいぎゅうぎゅうに腹につめこみ、限りなく脂肪にしてためこんでおかなければならなかった。ため食いできた人間ほど、生き残ることができたことでしょう。
反対に、目の前にある食べ物を十分に食べられなかった食の細い人や食べたものをエネルギーとして十分にためこめなかったような祖先は、淘汰されたはずです。私たちは、彼ら彼女らの生き残りの子孫ですから、もともと過食ぎみで、エネルギーを脂肪に変えてためこみやすい、太りやすい特徴をもっているわけです。目の前にあるものをお腹がいっぱいであるにもかかわらずさらに食べてしまう性格を有していることになります。私たちは長らく飢餓時代を送ってきたので、霜降り肉やトロ、卵などの脂肪をたくさん含んだ食べ物をおいしいと感じるセンサーが口の中に備わっている。そして、とりこんだ脂肪はなかなか手放さないしくみをもっているのでしょう。
だからどんなにダイエットしてもやせないし、てしまうのです。
ほんのちょっと食べただけで、効率よく吸収してしまい太っ私たちはもっともダイエットしにくい祖先の子孫なのです。残念ですね。
老化が起こるのです。

  • ホルモンが出なくなると心配されるためのようです。
  • 薬物療法を選択するという
  • 治療するだけでなく

病気の進行を遅らせるようにすることが大切です。でも、なかなかダイエットできないことも、卑しく食べ過ぎてしまうことも、私たちの意志の弱さとは別のところで規定されている側面もあると考えれば、なんだか、気持ちが楽になりますよね。言い訳にはならないでしょうが世界の成人人口の一11人に1人は糖尿病話を戻して、糖尿病の概略について、もう少し説明しておきます。糖尿病の症状で、一番最初に出てくるのはのどがかわいて、水をたくさん飲み、おしっこが出るというものです。そういう症状が出るので、患者さんによっては、水を飲むのを我慢すればいいのではないかと思ってしまう。
これはまったく逆の話です。人間は血糖値が一七OS一八0ミリグラム/デシリットルを超えるとおしっことして体外に出してしまいます。おしっこに糖が出るときは、必ず水が水溶液として一緒に出ていくので、糖の濃度が上がれば上がるほど、おしっこの容量が増えてしまいます。
つまり体の中が脱水になっている。それを防ごうとして、悪いことではない。むしろ理に適っています。
水を飲むわけです。
だから水を飲むことは決してもちろん甘い清涼飲料水などを飲んでしまうと悪循環になりますので、ません。でも飲水行動そのものをコントロールする必要はありません飲むのはお茶やお水でなければいけそれともう一つ、糖尿病で言っておきたいのは、やせに対する誤解です。太っていた患者さんがやせてくると、「糖尿病はよくなっている」と誤解してしまう。
「先生、やせてきたんだから、糖尿病は治ってきましたよね」とか「やせているんだから、食事療法なんか必要ない」という人が多くいます。
これは大きな誤解です。
さきほども申し上げましたように、糖尿病は飢餓状態です。
悪くなればなるほど、ご飯を食べていないのと一緒になります。
だからやせるほかにもおしっこをたくさん出すと脱水になって、水分の量が減ってきます。
水分の目方が減って、体重が減るわけです。
さらにおしっこにはブドウ糖が含まれています。ブドウ糖はエネルギー源です。ブドウ糖のエネルギーは一グラム当たり四キロカロリー。一回のおしっこで一00グラムのブドウ糖が出たとすると、四00キロカロリーのエネルギーを捨てたことになります。

 

治療法だろう

小さいお弁当一つを捨てているのと同じになる。
つまり糖尿病でやせてくるのは、エネルギー不足の飢餓状態になっている証拠なのです。
回復しているのではない。むしろ逆に糖尿病の状態が悪化したことのあらわれです。やせたから回復していると思うのは大間違い。何もしないのにやせてくるのは、むしろ危険な兆候です。
ところで、いま、糖尿病にかかっている患者さんはどれくらいいると思われますかつい最近発表された報告では、世界には糖尿病患者さんが三億六六00万人いるということです。成人110ー七九歳人口の八.三%、一11人に1人が糖尿病という勘定になります。二〇一一年時点で、日本は世界第六位の一0六七万人、日本の成人人口はおよそ九五三四万人ですから、成人の一·二%が糖尿病ということになります。
ちなみに糖尿病人口世界ワーストワンは、中国。そのあと、インド、米国、ロシア、ブラジルと続きます。また、糖尿病予備軍まで入れると、その数はおそらくその倍以上にふくれあがります。つまりざっと見積もっても、七八億人。いま、世界の総人口が約七0億人ですから、九S0人に1人の割合で糖尿病、またはその予備軍の患者さんが世界にいることになります。世界的には、10秒に三人、年間にすると1000万人が新たに糖尿病を発症しています。さらに面白いことがわかってきました。世界の糖尿病の患者さんの増加を押し進めているのも、実は、ワーストワン、ツーの中国とインドなのです。この二つの国だけで、世界の糖尿病患者の増加の約四割を説明できます。
老化のメカニズムを知らなければならない。
治療しておきましょう。
ホルモン状態が正常にコントロールされる
これから新興国がさらに豊かになっていくにつれ、いでしょうか世界の糖尿病患者さんの数はもっと増えてくるのではなAGEが高いと死亡リスクが高まるかつて糖尿病は、インスリンの絶対的不足をコントロールできなかったために、飢餓状態が進行し、そのまま亡くなる人が少なくありませんでした。これが糖尿病昏睡です。高血糖による脱水や栄養失調から、意識を失い昏睡状態におちいり命を落とす急性の合併症です。しかしいまはインスリンを打ったり、血糖値を下げる薬もたくさんあります。脱水に対しては速やかに点滴で補充することもできます。したがって、糖尿病と気づかず、でたらめな生活をしてしまって、仮に血糖値が一時的に四00、五00ミリグラム/デシリットルと上がってしまっても、急性の糖尿病昏睡によって亡くなる患者さんは、ひじょうに少なくなりましたでは糖尿病では、何が怖いのでしょうか。
それは、慢性のじわじわと進む合併症です。
最近、糖尿病の患者さんの死因に関する報告があったのですが、その研究によると糖尿病の患者さんはろんな病気にかかって亡くなるリスクがふつうの人の一·八倍も高い男でも女でも太っていてもそうでなくとも若くても年をとっていてもつまり、死亡に影響する他の因子を補正しても、糖尿病があると一·八倍死亡リスクが高くなるのです。
原因疾患別に見ると、もっとも死亡率が高いのは心筋梗塞や脳梗塞など血管系の病気で、ふつうの人の11.111倍。つまり、糖尿病の人はそうでない人に比べて、心臓や脳の血管がつまって起こる心筋梗塞や脳梗塞で二.三倍死亡リスクが高い血管系の病気以外で亡くなる危険性も一·七倍。さらに嫌なことに、がんによる死亡も1-1倍高くなります。糖尿病になると、肝がん、膵臓がん、子宮体部がん、腎臓がん、結腸·直腸がん、膀胱がん、乳がんなどになりやすいようです。
さらには、アメリカのこんなデータもあります。心臓病をまだ患っていない五〇歳の糖尿病の患者さんは糖尿病でない人より平均で六年寿命が短い。つまり、まだ血管系の病気が出ていない比較的初期の糖尿病であっても、その後の生きられる人生の長さが違う。六年短い。そして、この六年のうち三·六年分は、心臓血管系の病気を起こすことで早く亡くなってしまい、寿命が短くなる。残りの二、四年分は心臓病以外の病気たとえばがんや肝臓病や結核やその他の感染症、うつ病による自殺などで寿命が縮まってしまう。

 

医師は規定に沿った処方しかできない

どうですかありとあらゆる合併症が引き起こされ、糖尿病患者さんの寿命に悪影響を及ぼしていることがわかると思います。こつそしょうしょうほかにも認知症になりやすかったり、てくるいろんな病気のオンパレード-骨粗鬆症になる危険性が高いこともわかっています。
年をとって出昔は、風邪は万病のもとと言われていましたが、いまは、糖尿病は万病のもとと言ったほうがいいような時代を迎えてしまったのかもしれません。糖尿病の患者さんたちを見ることは、老化の縮図を見ていることに似ているともいえるでしょう。
要するに、糖尿病の患者さんはいろんな病気にかかって亡くなる危険性がふつうの人より圧倒的に高いわけです。日本のデータでも糖尿病があると健康寿命が約一五年短くなることは前に触れたとおりです。
ここで、AGEを思い出してみましょう。「糖尿病の患者さん1AGEがたくさんたまっている人」
つまり、AGEがいろんな病気の発症やその死亡リスクを上げている可能性が考えられるわけです。
でした。
糖尿病の治療は、できるだけ高血糖をコントロールして、AGEをためないようにすることですが、糖尿病でない人にも同じことがいえます。
あらゆる病気の危険性を引き上げるのがAGEだとしたら、生きする秘訣。老化を防ぐ早道となるわけです。そのAGEをためないようにするのが健康で長糖尿病で一番怖いのは慢性の血管合併症糖尿病は糖尿病そのものより、慢性の合併症が怖い。そしてこの合併症のすべてにAGEがからんできます。
なかでも典型的なのは慢性の血管合併症です。これは血管がつまったり、破けたりする病気で、心臓で起これば心筋梗塞、脳で起これば脳梗塞、足の血管がつまれば、足が壊疽を起こして切断しなければならないという怖い合併症閉塞性動脈硬化症です。
参考までに言っておきますと、糖尿病の血管合併症には小さな毛細血管がやられるきな血管がやられる大血管障害があります。細小血管障害では、腎臓と網膜と神経の三つがやられやすい。

医療を実行しているところは本当にわずか。

うつにもなります。

細小血管障害
と、大たとえば、腎臓に関して言うと、新たに透析に入る患者さんの約半分は、糖尿病が原因です。新規に透析導入となる患者さんの原因疾患の第一位を糖尿病が占めています。日本にはおよそ二九万七000人の透析患者さんがいますが、そのうち、一0万三000人透析患者全体の三五·八%は、糖尿病腎症が原因で透析しています。つまり、かりに私が透析のクリニックに行ったとしますと、待合室で待っている患者さんの三人に一人は糖尿病の方。「今日から透析したいんですけど」と、窓口に新規に来られる患者さんの11人に1人は糖尿病患者さんになるわけです。腎臓は、体にたまった老廃物をおしっことして排泄する臓器です。その働きが悪くなれば、老廃物は体の中にたまる一方となりますので、当然人工的に透析を行い、定期的に老廃物を取り除いてあげないといけなくなるわけです。週に三回、数時間は透析が必要となります。また、この透析を行っても十分に取り除けない老廃物もあります。さらに腎臓は、老廃物の排泄以外にホルモンを分泌させることで、骨の形成に関与したり、血圧の調節に関わったりしますので、透析だけで腎臓の働きを完全に代償させることはできません。
糖尿病が原因で透析導入になった方の平均余命は、約五年と考えられています。
網膜症については年間三000人の方が失明しています。おそろしいことに患者さんはまったく自覚症状がなく、ある日突然、真っ赤な川が目の前を流れたと言います。そのときは眼底出血をしていて、そうなると視力が回復できない場合もあります。人間は外部の情報の八〇%を目から得ているといわれています。ある日突然視力を奪われてしまうことが、その人の生活に重大な障害をもたらすであろうことは容易に想像できます。
手足のしびれ
を侮ってはいけない神経障害では、糖尿病で一番多いのは手足のしびれと違和感。グローブ·アンド·ストッキングタイプの神経障害です。グローブは手袋、ストッキングは靴下ですから、それらを着ける手足の場所にびりびり感やしびれ感があって、夜寝られなかったりする。