動脈硬化が進行します

病気も診てくれる女性外来

スモグロビンAlcが長い時間、高い血糖値の下に置かれると、糖のたんこぶがどんどん増えていきます。
そして糖まみれになって、最終的には「AGE終末糖化産物」という物質に変質していきますAGEの姿として、次のようなイメージを想像してみてください。ヘモグロビンというタンパク質の周囲に四方八方からお菓子のように糖がベタベタとくっついた状態です。
こうなると、もう元のヘモグロビンには戻ることができません。
な物体に変質していきます。
ヘモグロビンとは似ても似つかない異常やっかいなのはこのAGEという最終的な糖化物質が、なかなか代謝されずに、長期間体内にとどまるという点です。赤血球が四カ月で入れ替わっても、AGEだけは残ってどんどん蓄積されていく。
長く人間の体にとどまりつづけるということから、高血糖の記憶という現象と一致するのではないか。
血糖値を元に戻しても、高い血糖値のときと同じように合併症の病気が進行するのは、AGEがそのまま体内にとどまりつづけるからではないか。
このことを確かめるために、AGEを人工的につくって、人間の細胞にふりかけてみました。
するとどうでしよう。このAGEは予想通りに細胞を攻撃したり、組織を劣化させ、老化を加速させた。
悪さの限りを尽くしたのです。
そしてひとたびAGEまで進化すると、元のタンパク質には戻らない。
ヘモグロビンA1c
モグロビンに置き換わりますが、AGEのほうは二度とヘモグロビンには戻りませんは正常なヘその上、長いこと人間の体内にとどまって悪さをする高血糖の記憶
という現象も、AGEによってきれいに説明できるわけです。糖尿病の患者さんの老化を進め、さまざまな症状を引き起こしていたのは、的な糖化物質に変質したAGEだった!
ヘモグロビンが糖化して、最終こうしてAGEの研究がスタートしたのです。そしていろいろ調べていくうちに、体はこいつだ!と言われだしたのは、わずか数年前のことです。
どうやら老化物質の正3体内のいたるところに存在するAGEここで、みなさんに一つ重大なことをお話ししなければいけません糖化が進んで最終的な糖化物質AGEになるのはヘモグロビンだけではないということです。冒頭で説明したメイラード反応を思い出していただきたい。メイラード反応は加熱によって糖とタンパク質が結合して性質が変わる化学反応でした。
言いかえれば、タンパク質の糖化反応といってもいいでしょうそして人間の体内でも体温で加熱されて、糖とタンパク質のメイラード反応つまり糖化反応が起きている。
動脈硬化が進行します

  • 治療もできます。
  • 遺伝子が活性化するからだと言われています。
  • 細胞に号令をかけて貯蔵するように命じます。

動脈硬化の心配をせなあかんけど。それがヘモグロビンのAGE化だったわけですが、勘のいい方はすでにおわかりかと思います。
人間の体内にあるタンパク質はヘモグロビンだけでしょうか?
組織はほとんどがタンパク質でできています。
いいえ、そうではありません。
体の細胞やつまり体内の組織が糖にさらされて、長い間体温で温められていると、どんどん糖化が進み、最終的な糖化物質、つまりAGEになっていく。体のあちこち、そこら中にタンパク質が糖化されたAGEがたまっていって、本来の組織を攻撃するようになる。AGEは異常な糖化物質、モンスターなのです。
人間が老化していく姿とは、こうしたことだったわけです。
さきにメイラード反応
とは、糖とタンパク質がくっついて褐色ないしは黄色になる褐変反応
だと言ました皮膚の老化が進むとどうなるか。
たるみやしわが出てくるのですが、同時にしみやそばかすも出てきます。
フライパンで焦がしたような、茶色ですね。体の骨も老化が進みますと、スカスカになるだけでなく、色が黄色から薄茶色に変色してゆきます。目の老化の典型は白内障です。白内障になると目の水晶体が白く濁ってきます。白く濁ったことで白内障に気づき処置を受けるわけですが、そのまま放置してしまうと、水晶体は黄色になることが知られています。私が医者になりたてのころは、こうした黄色の目をした患者さんを何人も見かけました。水晶体が黄色くなる。これも褐変反応です。ここで、体内でタンパク質がどのようにAGE化していくか、糖化の過程を説明しておきましょう図2
ブドウ糖タンパク質シッフ塩基アマドリ化合物AGE初期反応可逆的後期反応不可逆的図2AGEができるまでタンパク質とブドウ糖が結びついて糖化したタンパク質ができ、シッフ塩基、アマドリ化合物へと進む。ヘモグロビンA1cはアマドリ化合物の一種で、ここまでは可逆的反応である。さらに糖化が進行すると、最終的にAGEになる。ひとたびAGEになると、元の物質には戻れない。
でマ行涙かァ進後質はがにc剖物ンAにタンら元たピさヒグる何び進的シ11反まがヘ可溯る糖物はひ初きウ合で。

 

細胞を殺してしまいます。

でド化まるがブリこなとドこG質マAクアでA種に2ン基一的図タ塩の終最初にタンパク質と糖がくっつきます。この反応が進むと、マドリ化合物というタンパク質に変質します。
タンパク質はシッフ塩基という物質をへて、アここまでが初期反応です。糖尿病の指標になるヘモグロビンAlc﹂は、このアマドリ化合物に相当します。アマドリ化合物は糖の濃度が下がると、シッフ塩基や元のタンパク質に戻ることができます。つまり可逆的な物質です。
この段階なら、何とか取り返しがきくわけですねしかしアマドリ化合物がさらに加熱されたり、高い糖にさらされると、AGEという最終物質になり、もう元には戻りません。
不可逆的な物質になってしまう。
これがAGE、モンスターです。
ヘモグロビンを例にとると、ヘモグロビンAlc
のうち約10%はAGEに移行します。
それらが血管や組織にべったり沈着して、さまざまな悪さをするのです。
お菓子のようにベタベタした砂糖まみれの物質AGEの正体は何かといいますと、糖化物質です。体内にあるタンパク質が糖化した結果、本来のタンパク質とは似ても似つかないものになった。
AGEはちょうどお菓子のように、表面にベタベタと糖がくっついたような姿を想像されたらいいと思います。
元はきれいなタンパク質だったのに、砂糖でまぶしたようにベトベトになって、本来の働きがまったくできなくなった糖尿病が進行するとそれらが体中のいたるところに広がり増えていきます。

ついろな脯し皮膚を構成するタンパク質では種類が違います。
は呼べません。
ですから、できあがったものはそれぞれ違う。
一つの名称でAGE化
したと呼び、AGE化した糖化物質をひとまとめにしてそこでタンパク質が糖化したことをAGEと名付けたのです。
AGEには、元のタンパク質によってさまざまな種類があります。
糖のたんこぶがタンパク質のどの部分に、どんなふうにつくかによっても性質が変わってきます。
もちろんくっつく糖の種類によっても違います。
一説によると、AGEは何十種類もあるのではないかと言われていま皮膚のように1カ月で入れ替わるもの、ヘモグロビンを含む赤血球のように四カ月で入れ替わるもの、コラーゲンのように-5-0年で入れ替わるもの、それぞれAGEから受ける影響も変わってきます。
骨の目の水晶体を構成するクリスタリンというタンパク質は一生変わりません。
つまり、生まれたときからのAGEの蓄積をそのまま受けつづけます。
神経細胞や心筋細胞も一生変わりません。
つづけています。

動脈硬化が進行します
免疫力の弱い子どもやお车寄りは接種を受けておくと安心です。
ホルモンの流れからない……。
そういう場所のAGEはずっとたまったまま、組織に影響を与えまた、AGE化は体中で進行していますが、人もいます。個人差もあります。
患者さんによっては腎臓だけが悪くなって、目はまだ大丈夫なもし白内障の原因が一00%AGEだとすると、きるはずです。
どんな人でもAGEがたまりつづければ、必ず白内障が起しかし現実にはそうなりません。
なぜなら同じ量のAGEがあっても、パンクしてしまう臓器とまだ耐えられる臓器がある。
低い量のAGEしかなくても、別の因子が加わったために、障害が出てしまう臓器もあるからです。
つまりAGEがそれぞれの臓器に与える障害の度合は、ほかの因子によって薄められたり、濃くなったりするのです。
AGE化は体中で起きていますが、症状のあらわれ方は臓器それぞれ、人それぞれだということです。では、AGEは体の主にどこでその症状を引き起こすのでしょうか。
わりがあるのでしょうか。次章でそのことについて見ていきます。
あるいは、どのような重大な病気と関前のページのまとめ色が褐色や黄色に変化して、風味が変わる。
二年のことである。
この「褐変反糖とタンパク質を含む食品を加熱調理すると、応」
発見者の名前をとってメイラード反応
と名付けられた。
一九一は、血液中の酸素を運ぶヘモグロビンの形と構造を調べるうちに、奇妙な形をしたものが見つかった。
体の中で起こったスモグロビンA1cと呼ばれる。これは、いったい何ものか。
ラード反応の副産物であることがわかった。
調べていくうちに、メイ糖尿病の人は早く老化する!?

 

薬を飲んでいても赤ちゃんに影響しないよう

高血糖の状態が六七年とつづくと、治療して血糖をコントロールしても合併症としての血管系の病気のリスクが減らない。これを高血糖の記憶という。
AGEの発見。AGEは体の中のいたるところで見つかった。
体の中のタンパク質の糖化の最終産物、れこそが、老化の原因かもしれない。

AGEの正体とは何か

血糖値×持続時間
が老化の速度をあらわす。AGEはタンパク質が糖化して、それが体内のあちこちに沈着し、変質した最終糖化物質です。

組織を劣化させて、老化やそれにともなうさまざまな病気を引き起こしまこのAGEを考える場合、重要なポイントが二つあります。
られ、老化が進みます。体内に糖がたくさんあればあるほど、一つは血糖値です。これが高いとAGEがつくタンパク質が糖とくっついてAGEがつくられ高い血糖値の期間が長くつづけばつづくほど、もう一つは時間です。
化が進みます。
その間にAGEがつくられ、やはり老同じくらいの高血糖値でも三、四日だけなら、その間につくられるAGEはわずかです。でもそれが三年五年、10年とつづけば、その分、どんどんAGEはつくられて、取り返しがつかない量までたまってしまいます。AGEの値は、とができます。
どれだけ高い血糖に、どれぐらい長い期間さらされたかという、いわばかけ算であらわすこAGEの量1血糖値×その持続時間AGEの量は増えますので、ツケのようにたまってしまっては元に戻せません。
たとえ血糖値が正常の範囲内にあっても、七〇年、八○年と長く生きてきたとす。
細胞へ糖を取り込ませるのです

治療についてさらにくわしく解説したいと思います。

かけ算の値が大きいほど、老化を問題にするときは、ると、その分、AGEの量は多くなる、という見方をしなければいけませんつまり生きている時間が長くなるにつれて、血管が傷んだり、脳梗塞や心筋梗塞になったり、歯周病になったり、骨がもろくなったり、認知症になるなど老化現象があらわれるということです。
「長生きすれば、それだけ組織がポンコツになって、老化するのは当たり前だろう」と思うかもしれませんがなぜポンコツになるのかというと、その老化のメカニズムにAGEが深くからんでいるのです。
反対に若い人でも血糖値が高いと、かけ算の値が大きくなるので、の進行に個人差があらわれることが理解されます。老化は早く進みます。
人によって、老化そして最悪なのは血糖値が高い状態のまま年齢を重ねていくことです。かけ算の値が飛躍的に増えて、老化が加速します。
このことを見ても、中年になって高い血糖値を放置することが、いかに危険なことなのかがわかりますね健診で「あなたは血糖値が高いから食生活を改善しなさい、運動をしなさい」と指摘されても、まったく意に介さない人がいます。しかし、この助言は「あなたは老化の進行がほかの人と比べて早いですよ」と宣告されていることと同じことです。それでも、あなたが耳を貸さないとするなら、自らせっせと老化を早めているようなものです。
AGEによる老化のメカニズムが顕著にわかるのが、糖尿病で血糖コントロール不良の患者さんの症例です。
この病気の患者さんは血糖値が高いために、タンパク質の糖化が起こりやすい。つまりふつうの人よりAGE化が加速し、老化が一気に進みます。
AGEは人間の体にどのような影響を与えているのか。

老化のメカニズムを知らなければならない。

医療を実行しているところは本当にわずか。

コンビニのお弁当は塩分が強めに入っており、そのほうがよく売れ、日持ちがよい。おにぎりも同様です。塩をとりすぎてでも体はあいかわらず陸に上がりたてのころのしくみを残しているので、血圧が上がってしまう。
要は社会や環境の変化のスピードが速すぎて、人間の体のしくみや遺伝子がそれに追いついていないわけです。だから、ふつうの生活をしているつもりなのに病気にかかる。いわゆる、生活習慣病
うことになってきたわけです。そのいわば、代表格が糖尿病ということです。
が蔓延してしまついでに言うと、私たちがいくら頑張っても、に原因がありそうです。
なかなかダイエットできない理由、やせられない理由もこジャングルを想像してみてください。当時は冷蔵庫などありません。
獲物をつかまえたら、お腹いっぱい食べて、三、四日食べなくてもいいぐらいぎゅうぎゅうに腹につめこみ、限りなく脂肪にしてためこんでおかなければならなかった。ため食いできた人間ほど、生き残ることができたことでしょう。
反対に、目の前にある食べ物を十分に食べられなかった食の細い人や食べたものをエネルギーとして十分にためこめなかったような祖先は、淘汰されたはずです。私たちは、彼ら彼女らの生き残りの子孫ですから、もともと過食ぎみで、エネルギーを脂肪に変えてためこみやすい、太りやすい特徴をもっているわけです。目の前にあるものをお腹がいっぱいであるにもかかわらずさらに食べてしまう性格を有していることになります。私たちは長らく飢餓時代を送ってきたので、霜降り肉やトロ、卵などの脂肪をたくさん含んだ食べ物をおいしいと感じるセンサーが口の中に備わっている。そして、とりこんだ脂肪はなかなか手放さないしくみをもっているのでしょう。
だからどんなにダイエットしてもやせないし、てしまうのです。
ほんのちょっと食べただけで、効率よく吸収してしまい太っ私たちはもっともダイエットしにくい祖先の子孫なのです。残念ですね。
老化が起こるのです。

  • ホルモンが出なくなると心配されるためのようです。
  • 薬物療法を選択するという
  • 治療するだけでなく

病気の進行を遅らせるようにすることが大切です。でも、なかなかダイエットできないことも、卑しく食べ過ぎてしまうことも、私たちの意志の弱さとは別のところで規定されている側面もあると考えれば、なんだか、気持ちが楽になりますよね。言い訳にはならないでしょうが世界の成人人口の一11人に1人は糖尿病話を戻して、糖尿病の概略について、もう少し説明しておきます。糖尿病の症状で、一番最初に出てくるのはのどがかわいて、水をたくさん飲み、おしっこが出るというものです。そういう症状が出るので、患者さんによっては、水を飲むのを我慢すればいいのではないかと思ってしまう。
これはまったく逆の話です。人間は血糖値が一七OS一八0ミリグラム/デシリットルを超えるとおしっことして体外に出してしまいます。おしっこに糖が出るときは、必ず水が水溶液として一緒に出ていくので、糖の濃度が上がれば上がるほど、おしっこの容量が増えてしまいます。
つまり体の中が脱水になっている。それを防ごうとして、悪いことではない。むしろ理に適っています。
水を飲むわけです。
だから水を飲むことは決してもちろん甘い清涼飲料水などを飲んでしまうと悪循環になりますので、ません。でも飲水行動そのものをコントロールする必要はありません飲むのはお茶やお水でなければいけそれともう一つ、糖尿病で言っておきたいのは、やせに対する誤解です。太っていた患者さんがやせてくると、「糖尿病はよくなっている」と誤解してしまう。
「先生、やせてきたんだから、糖尿病は治ってきましたよね」とか「やせているんだから、食事療法なんか必要ない」という人が多くいます。
これは大きな誤解です。
さきほども申し上げましたように、糖尿病は飢餓状態です。
悪くなればなるほど、ご飯を食べていないのと一緒になります。
だからやせるほかにもおしっこをたくさん出すと脱水になって、水分の量が減ってきます。
水分の目方が減って、体重が減るわけです。
さらにおしっこにはブドウ糖が含まれています。ブドウ糖はエネルギー源です。ブドウ糖のエネルギーは一グラム当たり四キロカロリー。一回のおしっこで一00グラムのブドウ糖が出たとすると、四00キロカロリーのエネルギーを捨てたことになります。

 

治療法だろう

小さいお弁当一つを捨てているのと同じになる。
つまり糖尿病でやせてくるのは、エネルギー不足の飢餓状態になっている証拠なのです。
回復しているのではない。むしろ逆に糖尿病の状態が悪化したことのあらわれです。やせたから回復していると思うのは大間違い。何もしないのにやせてくるのは、むしろ危険な兆候です。
ところで、いま、糖尿病にかかっている患者さんはどれくらいいると思われますかつい最近発表された報告では、世界には糖尿病患者さんが三億六六00万人いるということです。成人110ー七九歳人口の八.三%、一11人に1人が糖尿病という勘定になります。二〇一一年時点で、日本は世界第六位の一0六七万人、日本の成人人口はおよそ九五三四万人ですから、成人の一·二%が糖尿病ということになります。
ちなみに糖尿病人口世界ワーストワンは、中国。そのあと、インド、米国、ロシア、ブラジルと続きます。また、糖尿病予備軍まで入れると、その数はおそらくその倍以上にふくれあがります。つまりざっと見積もっても、七八億人。いま、世界の総人口が約七0億人ですから、九S0人に1人の割合で糖尿病、またはその予備軍の患者さんが世界にいることになります。世界的には、10秒に三人、年間にすると1000万人が新たに糖尿病を発症しています。さらに面白いことがわかってきました。世界の糖尿病の患者さんの増加を押し進めているのも、実は、ワーストワン、ツーの中国とインドなのです。この二つの国だけで、世界の糖尿病患者の増加の約四割を説明できます。
老化のメカニズムを知らなければならない。
治療しておきましょう。
ホルモン状態が正常にコントロールされる
これから新興国がさらに豊かになっていくにつれ、いでしょうか世界の糖尿病患者さんの数はもっと増えてくるのではなAGEが高いと死亡リスクが高まるかつて糖尿病は、インスリンの絶対的不足をコントロールできなかったために、飢餓状態が進行し、そのまま亡くなる人が少なくありませんでした。これが糖尿病昏睡です。高血糖による脱水や栄養失調から、意識を失い昏睡状態におちいり命を落とす急性の合併症です。しかしいまはインスリンを打ったり、血糖値を下げる薬もたくさんあります。脱水に対しては速やかに点滴で補充することもできます。したがって、糖尿病と気づかず、でたらめな生活をしてしまって、仮に血糖値が一時的に四00、五00ミリグラム/デシリットルと上がってしまっても、急性の糖尿病昏睡によって亡くなる患者さんは、ひじょうに少なくなりましたでは糖尿病では、何が怖いのでしょうか。
それは、慢性のじわじわと進む合併症です。
最近、糖尿病の患者さんの死因に関する報告があったのですが、その研究によると糖尿病の患者さんはろんな病気にかかって亡くなるリスクがふつうの人の一·八倍も高い男でも女でも太っていてもそうでなくとも若くても年をとっていてもつまり、死亡に影響する他の因子を補正しても、糖尿病があると一·八倍死亡リスクが高くなるのです。
原因疾患別に見ると、もっとも死亡率が高いのは心筋梗塞や脳梗塞など血管系の病気で、ふつうの人の11.111倍。つまり、糖尿病の人はそうでない人に比べて、心臓や脳の血管がつまって起こる心筋梗塞や脳梗塞で二.三倍死亡リスクが高い血管系の病気以外で亡くなる危険性も一·七倍。さらに嫌なことに、がんによる死亡も1-1倍高くなります。糖尿病になると、肝がん、膵臓がん、子宮体部がん、腎臓がん、結腸·直腸がん、膀胱がん、乳がんなどになりやすいようです。
さらには、アメリカのこんなデータもあります。心臓病をまだ患っていない五〇歳の糖尿病の患者さんは糖尿病でない人より平均で六年寿命が短い。つまり、まだ血管系の病気が出ていない比較的初期の糖尿病であっても、その後の生きられる人生の長さが違う。六年短い。そして、この六年のうち三·六年分は、心臓血管系の病気を起こすことで早く亡くなってしまい、寿命が短くなる。残りの二、四年分は心臓病以外の病気たとえばがんや肝臓病や結核やその他の感染症、うつ病による自殺などで寿命が縮まってしまう。

 

医師は規定に沿った処方しかできない

どうですかありとあらゆる合併症が引き起こされ、糖尿病患者さんの寿命に悪影響を及ぼしていることがわかると思います。こつそしょうしょうほかにも認知症になりやすかったり、てくるいろんな病気のオンパレード-骨粗鬆症になる危険性が高いこともわかっています。
年をとって出昔は、風邪は万病のもとと言われていましたが、いまは、糖尿病は万病のもとと言ったほうがいいような時代を迎えてしまったのかもしれません。糖尿病の患者さんたちを見ることは、老化の縮図を見ていることに似ているともいえるでしょう。
要するに、糖尿病の患者さんはいろんな病気にかかって亡くなる危険性がふつうの人より圧倒的に高いわけです。日本のデータでも糖尿病があると健康寿命が約一五年短くなることは前に触れたとおりです。
ここで、AGEを思い出してみましょう。「糖尿病の患者さん1AGEがたくさんたまっている人」
つまり、AGEがいろんな病気の発症やその死亡リスクを上げている可能性が考えられるわけです。
でした。
糖尿病の治療は、できるだけ高血糖をコントロールして、AGEをためないようにすることですが、糖尿病でない人にも同じことがいえます。
あらゆる病気の危険性を引き上げるのがAGEだとしたら、生きする秘訣。老化を防ぐ早道となるわけです。そのAGEをためないようにするのが健康で長糖尿病で一番怖いのは慢性の血管合併症糖尿病は糖尿病そのものより、慢性の合併症が怖い。そしてこの合併症のすべてにAGEがからんできます。
なかでも典型的なのは慢性の血管合併症です。これは血管がつまったり、破けたりする病気で、心臓で起これば心筋梗塞、脳で起これば脳梗塞、足の血管がつまれば、足が壊疽を起こして切断しなければならないという怖い合併症閉塞性動脈硬化症です。
参考までに言っておきますと、糖尿病の血管合併症には小さな毛細血管がやられるきな血管がやられる大血管障害があります。細小血管障害では、腎臓と網膜と神経の三つがやられやすい。

医療を実行しているところは本当にわずか。

うつにもなります。

細小血管障害
と、大たとえば、腎臓に関して言うと、新たに透析に入る患者さんの約半分は、糖尿病が原因です。新規に透析導入となる患者さんの原因疾患の第一位を糖尿病が占めています。日本にはおよそ二九万七000人の透析患者さんがいますが、そのうち、一0万三000人透析患者全体の三五·八%は、糖尿病腎症が原因で透析しています。つまり、かりに私が透析のクリニックに行ったとしますと、待合室で待っている患者さんの三人に一人は糖尿病の方。「今日から透析したいんですけど」と、窓口に新規に来られる患者さんの11人に1人は糖尿病患者さんになるわけです。腎臓は、体にたまった老廃物をおしっことして排泄する臓器です。その働きが悪くなれば、老廃物は体の中にたまる一方となりますので、当然人工的に透析を行い、定期的に老廃物を取り除いてあげないといけなくなるわけです。週に三回、数時間は透析が必要となります。また、この透析を行っても十分に取り除けない老廃物もあります。さらに腎臓は、老廃物の排泄以外にホルモンを分泌させることで、骨の形成に関与したり、血圧の調節に関わったりしますので、透析だけで腎臓の働きを完全に代償させることはできません。
糖尿病が原因で透析導入になった方の平均余命は、約五年と考えられています。
網膜症については年間三000人の方が失明しています。おそろしいことに患者さんはまったく自覚症状がなく、ある日突然、真っ赤な川が目の前を流れたと言います。そのときは眼底出血をしていて、そうなると視力が回復できない場合もあります。人間は外部の情報の八〇%を目から得ているといわれています。ある日突然視力を奪われてしまうことが、その人の生活に重大な障害をもたらすであろうことは容易に想像できます。
手足のしびれ
を侮ってはいけない神経障害では、糖尿病で一番多いのは手足のしびれと違和感。グローブ·アンド·ストッキングタイプの神経障害です。グローブは手袋、ストッキングは靴下ですから、それらを着ける手足の場所にびりびり感やしびれ感があって、夜寝られなかったりする。

老化が起こるのです。

遺伝子を損傷

糖尿病を通して、そのメカニズムを見ていくことにしましょう糖尿病患者の細胞は飢餓状態?
血液中のブドウ糖の濃度が一定期間、糖尿病とは慢性の高血糖がつづく病気です。原因は何であれ、に高いと認められたら、糖尿病と診断されます。
慢性的糖尿病の患者さんは常に血糖値が高い状態に置かれているので、体中のあらゆる組織でAGE化が進み、化が加速しています。「糖尿病の患者さん1AGEがたくさんたまっている人」と言っていいでしょう。
老AGEの話をする前に、老化のモデル
とも考えられる糖尿病を見ていきましょう糖尿病はインスリンというホルモンの異常によって起きます。
人間の血糖値を下げるホルモンは、インスリン1種類しかありません。
といっても、インスリンは血糖値を下げる目的で存在しているわけではありません。

私たちがご飯を食べると、その栄養素がブドウ糖になって消化器官から吸収され、血液の中にブドウ糖が増えます。これを細胞にエネルギー源としてとりこませようとするのがインスリンです。インスリンは別に血糖値を下げるためにあるのではないと申し上げました。
肉や脂肪細胞などに届ける自動車のような役割を果しているのです。
栄養素のブドウ糖を速やかに筋ブドウ糖が細胞にとりこまれる。
インスリンの働きによって、す。
病気も診てくれる女性外来

  • 検査を受ければ確認できます。
  • 認知機能が高いことがわかってきました。
  • 薬栽培の茶葉を使い

医学の知識などがなくてその結果として、血液中の血糖値は下がりまつまりインスリンが働く限りにおいては、血糖値は正常に保たれますし、筋肉や脂肪細胞もエネルギー不足におちいらなくてすみます。私たちは食事をとることで、筋肉を使って十分な活動ができ、余分なエネルギは、いざというときに備えて脂肪細胞に蓄積されるわけです。
しかし、何らかの原因でインスリンの分泌が阻害されたり、起きて、糖尿病と診断されます。
その働きが悪くなった場合は、慢性の高血糖が体の中ではある種の矛盾が起きるのです。みなさんは誤解されているかもしれませんが、はいわば飢餓状態です。なぜって、細胞にブドウ糖がとりこめないわけですから糖尿病の患者さんべらぼうに高血糖で、一見栄養があり余っているようですが、細胞側からすると、まったくブドウ糖をとりこめていない。何日間もご飯を食べていない状態と同じわけです。
そこで窮余の策として、タンパク質や脂肪を溶かして別の栄養素を絞り出し、何とか細胞が機能するようにするわけです。糖尿病の大きな原因としては、二つのことが挙げられます。一つはインスリンをつくる細胞が壊され、インスリンを分泌することができなくなる。小児に急性に認められる糖尿病の多くがそれに該当します。もちろん生まれつきインスリンをつくる能力が弱く、加齢とともにインスリンの分泌がさらに低下して、大人になってから糖尿病を発症する場合もあります。
もう一つの原因は、運動不足や過食で肥満になると、インスリンの働きが阻害されることです。
これは脂肪細胞、とくに内臓の脂肪細胞がインスリンの働きを阻害する物質を出すからです。脂肪細胞は食べたもののエネルギーを脂肪として貯蔵している細胞です。

 

薬をつづけながら療養した利彦さん

なぜその脂肪細胞がインスリンの邪魔をするのかというと、これは仮説ですが、必要以上に脂肪がたまりすぎると、脂肪細胞自身がそれを負荷だと感じて炎症反応を起こしてしまうからではないでしょうか。
もう俺は限界だぜ
こんなに食ったら、の細胞がやってきて、それを聞きつけてマクロファージという細胞が食べられるときに炎症反応が起つまりとSOSを出す。
掃除屋余分な脂肪細胞を食べようとします。
きて、インスリンをブロックするような悪い物質を出してしまうのです。もう一つの仮説は、シャットダウンする。
人間の体自体が「もうそれ以上食うな。太りすぎだぞ」
こちらの仮説のほうがわかりやすいかもしれませんと信号を出して、インスリンをいずれにしても肥満はインスリンの働きを阻害するので、性といいます。
血糖値が高くなります。

これをインスリン抵抗多くの糖尿病の患者さんは、もともとインスリンの分泌が少ないか、生活習慣のゆがみによってインスリン抵抗性が生まれるか、あるいはそのどちらもが存在することで、慢性の高血糖がつづくことになります。現代人は背広を着た縄文人
ここで疑問が生じます。
どうしてインスリン以外に、ブドウ糖を細胞にエネルギー源としてとりこませ、結果として血糖値を下げる別のバックアップ機構を、人間は用意してこなかったのか。インスリンと同じような働きをもつ別のホルモンがあれば、インスリンの分泌や働きがちょっとくらい悪くなっても、糖尿病にはならないわけです。当然やっかいなAGEもつくられずにすみますし、そのほうが合理的なはずです。ところが人間にはインスリンに代わるものがない!
なぜか^その理由はズバリ、まだ私たち現代人が背広を着た縄文人状態にあるからです。人類の誕生から現在までを1年の暦にたとえてみましょう。人類という種、ホモ·サピエンスが誕生した日私たちが近代的な生活をし始めたのは、を1月1日の午前0時0分とすると、でしょうか一年の暦でどのあたりになるの毎日、電車に乗り会社に出かけ、簡単な用事は電話かメールで済ませる。
薬を服用中の人
検査で骨や関節の撮影をすることもあります。
薬だからです。
お昼に定食を食べ、午後三時におやつをつまみ、部長に怒られた腹いせに一杯飲んで焼き鳥を食べ、ラーメンでしめて終電で帰る。休みの日は車で出かけ、ドライブスルーでファーストフードをとり、家に帰ってお昼寝をする。そんな生活をし始めたのは、ここ二0S三0年くらいのことです。人類の誕生から考えると、今のような生活様式になったのは、一年の暦でどのあたりになるのでしょうか^おお十月くらい?十一月?答えはいずれも×です。なんと年末も年末、大晦日十二月三十一日の午後十一時五十分くらいになります。つまり、私たちは人間として近代的な生活をまだほんの10分しか経験していません!人の長い、長い進化の過程を1年にたとえてみると、10分だけいまのような環境下にいるわけです。
したがって、基本的に私たちの体は、原始時代の生活に適合しています。私たちの体のつくりを支配している遺伝子は、完全に原始時代のままなのです。
私たちが当たり前のようにしている近代的な生活様式には、体のつくりはまったく適合していないのです!
まさに私たちの体は、鹿児島大学の丸山征郎教授の言われるように背広を着た縄文人なのです。その丸山征郎教授が編集主幹になっておられる血管医学と題する医学雑誌があります。日本で最も古くから出版されている血管専門の医学雑誌です。私もこの雑誌の編集委員の一人で、いろんな分野の先生方と血管に関する論文を取りまとめています。丸山先生は、一瞬で物事の本質を見極められる才能をおもちの方です。背広を着た縄文人、ネーミングもいいですよねでは原始時代の生活を想像してみましょう。私たちの祖先は腹いっぱい食べて、血糖が高くなることなどそうそうあり得なかったでしょう。いつもひもじい思いをして、血糖値を無理やり上げなくてはいけない状況にあっただろうと推測されます。
そのため、人間はインスリンの働きとは逆の、血糖値を上げるホルモン、養素を絞り出させるしくみをたくさんつくり出していったわけです。
タンパク質や脂肪を溶かし別の栄たとえば獲物を追ってみたけれど、なかなかつかまらない。腹は減った。
しかし人間の脳や赤血球はブドウ糖しかエネルギー源にできないので、食べるものがなくても、どこからかブドウ糖を絞り出して血糖が下がりすぎないようにしなければ、筋肉や脂肪を溶かしてでも、命をつないでいくことができません頭の栄養源になるブドウ糖をつくり出すしそこで、肝臓から糖を供給したり、くみを獲得しました。

 

病気のラインは正常部分にとどまらず下降ラインをたど

また血糖値を上げるためのホルモンも用意しました。その代表が交感神経のアドレナリンとノルアドレナリン。ほかにもグルカゴンや成長ホルモンがあります。いずれも血糖値を上げる働きをしています。このように私たちの祖先は腹いっぱい食べられることなどめったになかったので、血糖値を上げるためのバックアップ機構はたくさん用意したけれど、血糖値を下げる必要などほとんどありませんでした。このような飢餓の状態が長く続く原始時代の環境下では、血糖値を下げてしまうことは、むしろ致命的になったはずです。インスリン以外にそんな働きをする余計なホルモンやしくみをもってしまっていたら、まさに命取りなっていたことでしょう。
ところがです。今日の私たちの生活様式は、原始時代のそれとは大きくかけ離れています。体のしくみは原始人と同じですが、毎日たいしてエネルギーを使わなくとも、たらふく食べられる時代になりました。食べ過ぎて血糖値が上がってしまうような状況など、考えてもみなかった事態です。なんたる誤算でしょうか当然、まだ体がいまの環境についていっていません。
ど、私たちには与えられていなかったのです。
血糖値の上昇に対する防御策を準備する十分な時間なこれが今日、私たちがしばしば高血糖に悩まされ、糖尿病を患ってしまう根本的な理由です。?
太りやすい人間が生き残ってきた高血糖と同じことが心筋梗塞や脳梗塞にも起きています。
血液を固める、血栓ができる、という問題です。血管の中をどうやって血液は流れているのか。血液を止めるのに必要な血小板は、1マイクロリットル当たり五万個もあれば十分なのですが、その四五倍の110万三0万もあります。凝固因子類にいたっては五倍もあり、やはり止血に必要な因子フィブリノーゲンは1デシリットル当たり八〇ミリグラムもあれば十分なところ、その一四倍あります。なぜかというと、昔、人間は怪我をする危険に囲まれて暮らしていたからです。考えてもみてください。昔、ジャングルで暮らしていた私たちはトラに襲われても、包帯はありません。

病気も診てくれる女性外来

ストレスや疲労他に喫煙

上血剤もなく、輸血もできない。
そこで人間はトラにかまれてもいいように余分に血小板などを用意していました。何重にも出血を止める血液凝固の機構を獲得しました。ところが、いまの私たちはトラにかみつかれなくてもすむような時代に生きています。不幸にして事故にあっても早急に治療が施され、原始時代に比べて出血死のリスクは遥かに少ないものとなりました。
で、どうなったか?血液凝固を制御する因子として、アンチトロビンⅢは実際の濃度が1デシリットル当たり三0ミリグラムほどしかなく、これが110ミリグラム以下になると血栓傾向となり、血が固まりやすくなる。こちらのほうは、余剰が少なく、目いっぱいなのです。
余計なストレスがかかるだけで、ちょっと脱水になったり、ます。血液は固まりやすいので血管がつまってしまい動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞といった血栓症の病気が起きてくるのも、私たちが原始時代のままの血液構成でいるからです。ここでも、私たちの体の基本的なつくりといまの環境とのギャップが問題を起こしているわけです。高血圧が増えている理由にも同じことが言えます。私たちの祖先は魚でした。魚は海にいたので、塩はあり余るほどありました。ところが海にいたのでは栄養源が少なすぎる。そこで、私たちの祖先は陸に上がって、両生類になり、爬虫類になり、哺乳類へと進化していきます。その過程で一番困ったのが塩の不足です。海から陸に上がると、を見回しても、塩がまったく見つからないところもあります。
海のようには、ふんだんに塩がない。

周り塩は「サラリーsalary」の語源になるくらいとても貴重なものでした。
のために戦った人という説もあるようです。
兵士ソルジャー
の由来も塩そのため、私たちの祖先は少しでも塩気のあるものを食べたら、すぐ吸収して体内に蓄えるようなシステムを獲得しました。それが「レニン-アンジオテンシン系」と呼ばれる腎臓でのホルモンシステムです。このシステムによって腎臓でNaと水の再吸収を促します。ところが、塩分が過剰になると、血液中のNa濃度を一定に保とうとして水の再吸収も増えて循環血漿量が増加するので、結果的に血圧が上がるのです。
けっしょう魚はこうした塩をとりこむしくみをもっていません。
ためのシステムです。
海から陸に上がった生き物だけがもっている、生きる人の口の中には、塩分をとてもおいしいと感じるセンサー機構があり、塩分嗜好性があります。私たちの体は、いったん塩分をとりこんだら出さないしくみになっているのです。たしかに、塩分は貴重で、日本でもかって専売公社として塩を販売していました。ところがいまは塩が潤沢にあります。調味料として塩を使うばかりか、醤油や味噌にも塩分が入っており、さまざまなお菓子や加工食品にも塩分が入っている。