細胞へ糖を取り込ませるのです

症状を伴う場合もあります。

認知症であるにもかかわらず

なわち、それらが三七度の体温で常時、長い時間をかけて温められているわけです。
す。糖とタンパク質が温められるとどうなるかあたかもフライパンの上でじっくり調理されているかのように、人間の体内の組織に焼き目や焦げ目のような反応があらわれてもおかしくないではありませんか。
ちなみに、私は一九九九年から約一年半、ラーバー先生がいらしたニューヨークにあるアルバート·アインシュタイン医科大学に留学する機会を得ました。先生は一九七九年にカリフォルニアの大学に移られたのでずいぶんと時間が経っていましたが、先生がいらしたその大学でライフワークとなるAGEの研究を行えたのは、とても有意義で貴重な経験となりました。
後日、ラーバー先生と接する機会があり、そのことをお話しすると、自分もイランから右も左もわからずにニューヨークに出てきて研究に没頭し、ヘモグロビンA1cを発見するに至ったことを、つい昨日のことのように語っておられたのが印象的でした。
それ以来、私の研究を公私にわたりサポートしていただいていま老化のモデル
としての糖尿病いったい人間の体の中で何が起きているのか、メイラード反応と同じような化学反応が人間の体内でも行われていて、のだとしたら、それはどんな影響を人間に与えているのか、ヘモグロビンAlcが生まれたここで登場するのが、ラーバー先生も注目した糖尿病の患者さんです。
な症状とは何かというと、まさしく老化なのです。
糖尿病の患者さんに共通する特徴的糖尿病の患者さんはふつうの人より、はるかに早く老化します。ふつうの人より皮膚がもろく、しみやしわになりやすい。
骨がボロボロになったり、歯周病や白内障や認知症になるのも格段に早いし、血管ももろいので、心筋梗塞や脳梗塞になるリスクが111倍も高くなります。老化が早い分、寿命も短くなっています。男性で10年、女性で一五年寿命が短い。
をすごせる健康寿命で見ると、男女とも一五年も短くなっています。
自立して若々しく余生このことはひじょうに重要です。

うつにはなりません。

日本人の男性の平均寿命が七九歳そこから一五年を引くと、六四歳男性の糖尿病患者さんは六0代半ばですでに健康寿命を終えてしまいます。
糖尿病が老化のモデルと言われるのは、こんな理由があるからですねそして研究者たちの間に、糖尿病に関係する特有な物質が老化を促すのではないか、という考えが生まれてきたのです。一方でタンパク質の糖化が、本来のタンパク質を変質が体内でも起こりうるという議論も活発にされていました。

劣化させて別の物質になるメイラード反応
パズルのピースをいろいろ組み合わせているうちに、ブレークスルーが起きたわけです。
どうやら犯人は、タンパク質が糖化し変質したつまりメイラード反応を起こした物質らしいという仮説が生まれたのです。つまり、ヘモグロビンAlcに代表される糖化物質はさらに反応が進むと、毒性の強い終末糖化産物、AGEに置き換わっていき、老化を進めるのではないかという考え方が出てきたわけです。
一九九○年ころのことです。終末糖化産物は老化にからむ可能性がありそうだ、ということで加齢ageを意識して、終末糖化産物のことを、あえてAGEという略号で呼ぶようになったのも、そのころのことです。

 

ガンを発病した人の大腸に異常が発見される確率

神経のアドレナリンとノルアドレナリン。話は少し横道にそれますが、ここでヘモグロビンAlcについてもう少し説明を加えておきます。糖尿病の人はふつうの人より血液中にたくさんのブドウ糖血糖をもっています。そのためブドウ糖とへモグロビンが結びついて変質したヘモグロビンA1c
が多く見られます。しかし、ふつうの人の血液中にもヘモグロビンAlcがゼロではありません。なぜなら人間はだれでも血液中にブドウ糖グルコースをもち、100ミリグラム/デシリットル前後の血糖値が存在するからです。

血液中のブドウ糖は、グルコースとして、とりわけ脳と、各種臓器や筋肉に運ばれ、エネルギー源として使われます。
脳は臓器としては、全体重の約11%1.一5·五キロしかありませんが、安静時でのグルコース消費量は一八%、とおそろしく食いしん坊なのです。頭の活動には、このエネルギー源が必須で、グルコースが不足すると脳は活動を停止してしまいます。だから人は何をさしおいても脳にグルコースを送ろうとします。
またグルコースは、心臓で一一%、肝臓で二〇%、筋肉では安静時でも二〇%を消費します。言ってみればグルコースはエネルギーのコインのようなものですから、「糖化は人間が生きていく上で避けることのできない現象」
だと言えます。
ただし、ヘモグロビンAlc
五%程度です。

神経ともかくの割合は、ふつうの人では糖尿病の人に比べると少なく、四.五五.一方、糖尿病の患者さんは血糖値が高くなればなるほど、スモグロビǎicの割合が増えてきます。
ですから健康診断ではこのスモグロビンAlcのパーセンテージを糖尿病の診断基準の一つとして利用しています。血液検査でヘモグロビンAlcつまりHbA1cが六.二%を越えると糖尿病予備軍、六.五%を越えると糖尿病の疑いありと言われ、食事制限や生活習慣の改善などの指導がされるはずです。
犬の体は高血糖を記憶するしかし厳密に言うとヘモグロビンAlcは老化物質の正体ではありませんでした。
ンを含む赤血球は四カ月ごとに入れ替わるからです。
なぜならへモグロビかりに高い血糖値の下にあって、ヘモグロビンA1cがたくさんできてしまったとしても、球に入れ替わればヘモグロビンAlcはチャラになります。
新しい赤血そのまま高血糖がつづけば、再びヘモグロビンAlcが増えるでしょうが、治療によって血糖値を下げると、ブドウ糖と結びつくヘモグロビンも少なくなりますから、ヘモグロビンAlcの数は減っていきます。また、取れて、観察によって一度スモグロビンAlcになっても、血液中の血糖値が下がると、元の正常なヘモグロビンに戻ることもわかってきました。
糖のたんこぶがつまりヘモグロビンAlcは比較的短期間でいくらでも減らすことができるのです。
にもかかわらず、糖尿病の患者さんはある程度の期間、高血糖の状態がつづいてしまうと、その後、血糖値を下げてヘモグロビンA1c
を正常に戻しても、老化やさまざまな病気の進行はいっこうに止まらない。
なぜか糖尿病の研究者の間では、この高血糖の記憶
ともいうべき現象のメカニズムが長く説明できずにいましたとえば六ロールしても、七年間、高血糖にさらされた患者さんは、病気の進行は思ったほどには止まらない。
その後10年間、一生懸命治療して血糖をコントいわば過去の高血糖のツケというか、高血糖の借金を覚えこんでしまって長期にわたって引きずってしまい途中から血糖コントロールを行っても、思ったほどには病気の進行を抑えることができない症状がずるずると悪化してしまうわけです。

検査の前

薬を常用している人の腸これを高血糖の記憶といいます図1

ヘモグロビン

高血糖の記憶持ち越し効果血管合併症のリスク時間経過図1高血糖の記憶
高い血糖値の時代が6~7年とつづくと、ある時点で高血糖を治療したあとも糖尿病の血管合併症のリスクがずっとつづく。血管の障害がすぐには元に戻らない、こうした現象のことを高血糖の記憶と呼ぶ。
治害を障糖の高血時づるつあとずと経くがこつス象とリ現年のだ7症し~併う6合こ記が管の代血い糖時のな血の病ら糖糖に血も元-いとは図高あに過去にでたらめな生活をしていた人が、が周りの人たちの記憶として残っていて、ますよね。

途中から急に改心していい人になっても、過去にやった悪行の数々すぐには信用のおける人として評価されない、こんな状況と似てい及ぼすのだ、という意味で高血糖の記過去の悪行は記憶として残り、現在にまで影響を引きずり、憶という言葉が使われているわけです。
何だか、人生と似ていますね。長いこと悪いことをしていれば、悔い改めていい人に戻っても、でたらめだった過去はなかなか消せない。信用を勝ち得るのはなかなか難しい。厳しいようですが、これが現実ではないでしょうか実は、タバコとがんとの関係にも似たような現象が存在します。
タバコを吸う人は将来肺がんになる危険性が高い。そのリスクは禁煙したあとも一定の期間つづきます。
一日何十本もタバコを吸う生活を何十年間もつづけていた人が、今日から禁煙したからといって、いままでの喫煙歴がすぐにチャラになるわけではないですよね。

動脈に塞栓物質を注入してふさいでしまう療法です。

症状が出ることになります。タバコをやめたあとも肺がんになるリスクは高いまま推移します。一度もタバコを吸ったことがない人のレベルに戻るまで、禁煙後何十年もかかるわけです。
喫煙歴を引きずってしまいタバコをやめてからも肺がんのリスクは高いまま残る。
ます。同じように記憶の現象が存在するわけです。
つまり、過去のツケ過去の悪かった高血糖のツケを治療後も引きずっそして糖尿病にもこの記憶という現象が認められる。

てしまい、血管障害やその他の合併症が進行してしまう。
血糖値を下げれば、治療効果がすぐにあらわれ、症状がよくなっていくはずです。
この謎はなかなか解けなかったのです。
治療を開始しもしその場その場の血糖値だけが問題なら、た時点から、少なくとも病気の進行が止まり、なぜか?
それなのに、進行が止まらない。
血糖値が正常に高血糖だった時代にある物質がつくられて、戻ったあとも、それができると人間の体の中に長くとどまり、ずっと悪さをしつづけるためではないのか。
やがて、こんなアイディアが浮上してきました。
老化を促進する物質の本体、原因物質ということになりまその物質が糖尿病にともなう合併症を進行させ、す。糖化物質のなれの果てAGEが老化物質だったそこで注目されたのが、ヘモグロビンAlcからさらに糖化が進展した物質の存在です。


薬を常用している人の腸 医療を実行しているところは本当にわずか。 治療の概念が変わることを期待しています。

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